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温泉の入り方、これだけ知っておけば恥をかきません

温泉の入り方、これだけ知っておけば恥をかきません

「まわりはみんな慣れた様子でさっさと入っている。自分だけ順番を間違えていたら、と思うと落ち着かない」

「誰かに聞けるわけでもないし、でも今さら調べるのも恥ずかしくて…」

そんな気持ちで、浴室の入口で一瞬止まってしまったことはありませんか。 知らなくて当然のことがたくさんある。まず、それだけ伝えさせてください。


こまり
こまり
ねえとも、タオルってお湯に入れちゃダメなの? なんで? みんな頭に乗せてるけど、あれって何か意味あるの?
とも
とも
いい質問です。タオルのことは後でちゃんと説明しますね。実は「頭に乗せる」にも、ちゃんと理由があるんです。今日は入り方の順番から、タオル・時間・脱衣所のことまで、一緒に整理していきましょう。

まず「順番」だけ覚えれば、半分は大丈夫

温泉の洗い場でかけ湯をする女性

温泉の基本の流れは、たったこれだけです。

  1. かけ湯をする
  2. 洗い場で体を洗う(髪は入浴の前でも、後でもかまいません)
  3. 湯船に浸かる

この順番なら、多くの温泉で安心して過ごせます。 逆に言うと、これさえ押さえておけば、細かいことは後から覚えればいい。

かけ湯は「汚れを落とす」だけじゃない

かけ湯というのは、湯船に入る前に、浴槽のお湯か洗い場のお湯を体にかけることです。 「汚れを落とすためでしょ」と思いがちですが、もう一つ大切な役割があります。

それは、体をお湯の温度に慣らして、血圧が急に上がらないようにすること

温泉のお湯は、家のお風呂より熱めのことが多いです。 いきなり湯船に全身で入ると、体がびっくりして、心臓や血管に急な負担がかかります。

かけ湯は、手や足など、心臓から遠いところから。 手足 → ひざ → 腰 → 肩、と下から順に、数回に分けてゆっくりかけていく。 それだけで、体がお湯に慣れやすくなります。

多くの温泉施設では、入口や脱衣所に「温泉の正しい利用方法」という案内が貼ってあります。 そこにも「血圧が上がらないように、入浴前は手足からかけ湯をして、体を洗ってから入りましょう」といったことが書かれています。 まわりへのマナーであると同時に、自分の体を守るための手順でもあるんですね。

こまり
こまり
なるほど。「汚れを流す」だけじゃなくて「体の準備体操」みたいなものなんだね。
とも
とも
まさにそのとおり。体への負担を減らすための、小さくて大事なひと手間です。あわてず、ゆっくり。それだけで変わります。

洗い場では「隣に気をつかう」くらいでいい

体を洗うときのルールは、そんなに多くありません。 一つだけ意識するとすれば、シャワーのお湯や泡を隣の人にかけないこと。

洗い場は仕切りがない温泉も多いので、シャワーの向きを手で抑えながら使うか、 横への飛び散りを意識するだけで十分です。

使い終わったら桶や椅子を軽くすすいで戻す、という習慣も、 長く使われてきた温泉ならではの、気持ちのいい作法です。


タオルは「湯船に入れない」。頭に乗せる理由も、ちゃんとある

こまり
こまり
で、タオルの話は? なんで湯船に入れちゃダメなの?
とも
とも
いちばんの理由は、みんなが入るお湯を清潔に保つためです。タオルには繊維のほこりや、体を洗った石けんが残っていることがありますから。温泉利用の案内にも「お湯を清潔に保つため、浴槽にタオルを入れない」と書かれていることが多いんですよ。

タオルは浴槽の外に置くか、頭の上に乗せておくのが基本です。

「頭に乗せる」のは、見た目のマナーというより、のぼせを予防するための知恵でもあります。 濡れたタオルを頭に置くと、頭部を冷やすことができて、 体が温まり過ぎたときの「くらっとする感覚」を和らげる助けになります。

はじめての方は「浴槽の外に置く」だけでOK。 慣れてきたら頭に乗せるスタイルも試してみてください。


何分入る? 何回に分ける?

湯船の縁で濡れタオルを頭に乗せて休む女性

「温泉はゆっくり長く入ったほうがいい」と思っていませんか。 実は、長く入り続けるより、短く分けて入るほうが、体にやさしいです。

まず、案内に書かれている目安から

多くの温泉施設では、脱衣所に「温泉の正しい利用方法」という案内が出ています。 そこで示されている入浴時間の目安は、こうです。

  • 慣れるまでは、3〜10分を1〜2回
  • 慣れてきたら、15〜20分を2〜3回まで増やしてもよい

つまり「最初から長く浸からない」「一度に入りきらず、何回かに分ける」が基本の形です。 はじめての温泉なら、5分ほどで一度出る。それでまったく問題ありません。

なお、42℃以上の熱いお湯は、体にかかる負担が大きくなります。 血圧が高め、心臓のこと、脳卒中をしたことがある……という方は、高温のお湯を避けるようにと案内されています。 心肺の働きが弱っている方には、胸から下だけ浸かる半身浴・部分浴がすすめられています。

分割浴(ぶんかつよく)という入り方

この「分けて入る」やり方を、分割浴と呼びます。 湯船に入る → いったん出て休む → また入る、を繰り返す入り方のことです。

  • 1回の入浴は 3〜5分くらいから
  • 出たら浴室の端や洗い場で 数分ほど休憩
  • それを 2〜3回繰り返す

体が温まりすぎる前に一度クールダウンできるので、 のぼせにくく、疲れも残りにくいと言われています。

こまり
こまり
え、3分でいいの? なんか、もったいない気がする……
とも
とも
わかります、その気持ち(笑)。でも「もったいないから長く入る」より「短く何度も入る」ほうが、結果としてお湯を存分に楽しめます。旅の日程を楽しむためにも、温泉で疲れきらないのが大事ですよ。

ちなみに、あの「♨」の湯気が3本なのは

温泉マーク「♨」。あの記号がいつからあるか、考えたことはありますか。

いちばん古いとされているのは、1661年(万治4年)のものです。 いまの群馬県安中市のあたりで、農民どうしの土地の境い目争いがあり、 江戸幕府がその決着をつけた文書に、絵図が添えられていました。 その絵図の中に、いまの「♨」によく似た記号が2つ描かれていたのです。 磯部温泉が「温泉記号発祥の地」と呼ばれているのは、そのためです。

そして、この記号でよく語られるのが、湯気の3本の線の長さが違うこと。 真ん中が長くて、両側は短い。 これを「入浴時間の目安を表している」とする言い伝えがあります。

  • 1本目(左・短い)=1回目は5分ほど、ほどほどに
  • 2本目(中央・長い)=2回目は8分ほど、じっくりと
  • 3本目(右・短い)=3回目は3分ほど、さっと

……お気づきでしょうか。これ、まさに分割浴なんです。

もっとも、これは公式に決められた意味ではなく、あくまで言い伝えのひとつです。 それでも、そんな言い伝えが残っていると思うと、 あの3本の湯気が、少し違って見えてきますね。

こまり
こまり
えー、あのマークにそんな話があったんだ。これ、誰かに言いたくなるやつだね
とも
とも
でしょう(笑)。湯船で隣り合った方との会話にも困りませんよ。「そういえば、この湯気の3本って…」って。

めまい・のぼせを感じたら、すぐ出てください

「あと少しだけ」と思いたくなる気持ちは分かります。 でも、ふわっとした感覚・頭がくらくらする・気持ちが悪いと感じたときは、 そのまま我慢しないで、静かに立ち上がって浴槽から出てください。

出た後は、涼しい場所で横になるか、腰を下ろして休みましょう。 浴室の床に座り込むのも、恥ずかしくありません。それが正解です。


入る前と、上がったあと。ここで差がつきます

湯船の中の作法ばかり気にしてしまいますが、 実は入る前と上がったあとのほうが、体にとっては大事だったりします。

食事の直後と、お酒のあとは避ける

温泉利用の案内で、はじめのほうに書かれていることが多いのが、これです。 食事の直前・直後の入浴は控える。とくに、お酒を飲んだあとの入浴は危険。

宿だと、夕食のあとに「さて、もうひとっ風呂」となりがちですが、 食後は少し時間を置いてからのほうが安心です。 飲んだあとの入浴は、やめておきましょう。

同じように、疲れきっているとき、運動したすぐあと(30分ほど)も控えると書かれています。 移動でくたくたになった到着直後は、少し休んでからのほうが、お湯を気持ちよく感じられます。

水分は、入る前と上がったあとに

温泉に入ると、思っている以上に汗をかきます。 脱水にならないよう、入浴前と入浴後の水分補給を忘れずに。これも案内でよく呼びかけられていることです。

脱衣所に給水機が置いてある施設も多いので、入る前にコップ1杯。 上がってからもう1杯。それだけで、湯上がりのだるさがずいぶん違います。

上がるとき、温泉成分を残すという楽しみ方

意外と知られていないのが、上がったあとの話です。

多くの温泉では、体についた温泉の成分を洗い流さず、タオルでふき取るという楽しみ方があります。 シャワーで流してしまうと、せっかくの成分まで洗い落としてしまうからです。 温泉利用の案内でも、そう書かれていることがあります。

ただし、これはどこでも同じ、というものではありません。 酸性泉・硫黄泉・塩化物泉のように成分の強いお湯では、 施設のほうから「入浴後は洗い流してください」と案内されていることもあります。

刺激の強い泉質のとき、肌の弱い方は、真水やぬるま湯で洗い流してください。 そして、施設の案内が出ている場合は、そちらに従ってください。 肌がひりひりする感じがあるときは、無理に残さないこと。これがいちばんです。

体を拭いてから、脱衣所へ

浴室を出る前に、タオルで体の水気をざっと拭き取ってから脱衣所に上がる。 これだけで、脱衣所の床がびしょ濡れになりません。

次の人が濡れた床で滑らないように、という気づかいでもあります。 温泉の作法の多くは、こういう「次の人のこと」でできています。

こまり
こまり
へえ、上がるときに流さないんだ。てっきり、ちゃんと流して出るものだと思ってた
とも
とも
そう思っている方、とても多いんです。お湯によって、施設によって変わるところなので、案内が出ていればそれがいちばん。迷ったら、そのまま拭いて上がれば大丈夫ですよ。

髪・アメニティ・脱衣所のこと

細かいことが気になりだすと止まりませんが、ここでは「覚えておくと安心」なものだけ。

髪は湯船に入れない

長い髪の方は、湯船に浸かるときに髪が湯に入らないよう、 ヘアゴムでまとめておくと安心です。ゴムは脱衣所でまとめてから入ると、洗い場でもたつきません。

シャンプー・リンスは施設によって違う

温泉宿や日帰り温泉によって、シャンプーやリンスが備え付けてある場所とない場所があります。 はじめて行く施設なら、小さいサイズを持参しておくと安心です。

また、温泉によっては「石けんの使用禁止」「シャンプー持ち込み禁止」という施設もあります。

理由は施設によってさまざまです。 環境を守るため、設備の管理のため、あるいはお湯の性質のため。 たとえば酸性の強いお湯や、鉄・カルシウムなどのミネラルが多いお湯では、 石けんが泡立ちにくいこともあると言われています。

入口や脱衣所に案内が出ていることが多いので、一度確認してみてください。 洗えない温泉に出会っても、がっかりしなくて大丈夫。 そういう決まりのある場所だった、というだけのことです。

脱衣所では静かに、ゆっくり

脱衣所は、皆が着替えたり、体を拭いたり、体を休めたりする場所です。 大きな声での会話や、ドライヤーの長時間占有は、ほかの方への気配りとして避けるといいでしょう。

こまり
こまり
なんか…覚えることいっぱいあるね。ちょっとこわくなってきた
とも
とも
大丈夫、大丈夫。全部一度に完璧にやろうとしなくていいです。気持ちよく過ごすための「心がけ」ですから。

まとめ。知らなくて当然だったんです

とも
とも
温泉のマナーって、誰かにちゃんと教わる機会がないまま大人になった方がほとんどです。知らなかったとしても、それはふつうのことで、恥ずかしいことは何もない。

今日お伝えしたのは、この7つです。

  1. かけ湯は手足から。汚れを落とすだけでなく、血圧を急に上げないため
  2. 洗い場で体を洗ってから、湯船へ
  3. タオルは湯船に入れない。頭に乗せるとのぼせ防止にもなる
  4. 一度に長く入らず、短く分けて入る(慣れるまでは3〜10分を1〜2回)
  5. めまい・のぼせを感じたら、すぐ出る。我慢しない
  6. 水分は、入る前と上がったあとに1杯ずつ
  7. 上がるときは温泉成分を洗い流さず、体を拭いてから脱衣所へ
こまり
こまり
つまり「かけ湯して→洗って→短く入る」を繰り返して、上がったら流さずに拭くってこと? それならできそう。あと、タオルは頭の上ね。
とも
とも
完璧です。それができていれば、もう十分。温泉は、知ってしまえば難しい場所ではありません。どうか気負わず、あなただけの一湯を楽しんでください。

よくいただく質問

とも
とも
最後に、よく聞かれることをいくつか。どれも「聞くのが恥ずかしい」と言われるものばかりです。

体を洗わずに、かけ湯だけで湯船に入ってもいいですか?

基本は、手足からかけ湯をして、体を洗ってから入るのがおすすめです。 温泉利用の案内でも、その流れで説明されていることが多いです。

はじめての温泉なら、この順番だけ覚えておけば十分。 迷ったときは「洗ってから入る」と決めておくと、気持ちが楽になります。

タオルを体に巻いたまま入るのはダメですか?

多くの温泉で、タオルを巻いたままの入浴はご遠慮ください、と案内されています。 理由は湯船にタオルを入れないのと同じで、お湯を清潔に保つためです。

体を隠したい気持ちはとてもよく分かります。 その場合は、湯船まで小さいタオルで前を隠しながら歩いて、入る直前に頭の上へ。それで十分です。

なお、混浴のお風呂は少し扱いが違います。これは、あとの項目でお話ししますね。

温泉から上がったあと、シャワーで流したほうがいいですか?

お湯によって変わります。 成分を残すために流さずタオルでふき取る、という楽しみ方が知られていますが、 成分の強いお湯では、施設のほうから「洗い流してください」と案内されていることもあります。

案内が出ていれば、それに従うのがいちばんです。 肌がひりひりするようなら、我慢せず真水やぬるま湯で流してください。

1日に何回くらい入っていいですか?

よく示されている目安は「慣れるまでは3〜10分を1〜2回、慣れてきたら15〜20分を2〜3回まで」。 宿に泊まると、つい朝晩と何度も入りたくなりますが、詰め込みすぎないほうが体は楽です。

「せっかくだから」で入りすぎて、翌日ぐったり……はよくある話。 旅のあとの予定まで楽しむために、少し余力を残しておくくらいがちょうどいいと思います。

血圧が高めなのですが、温泉に入っても大丈夫でしょうか?

これは記事で「大丈夫です」と申し上げられない部分です。 持病や体調のことは、かかりつけの先生に確認していただくのがいちばん確実です。

そのうえで一般的な注意として、「血圧が高めの方は42℃以上の高温浴を避ける」とよく案内されています。 ぬるめのお湯を選ぶ、長く浸からない、ひとりきりで入らない。 この3つを意識するだけでも、ずいぶん違います。

のぼせたときは、どうすればいいですか?

すぐに湯船から出て、涼しいところで横になるか、腰を下ろして休んでください。 水分をとって、落ち着くまでゆっくり。

浴室の床に座り込むことを、恥ずかしいと思わなくて大丈夫です。 がまんして立ち上がろうとするほうが危ないので、遠慮なく休んでくださいね。

混浴のお風呂でも、何も身につけずに入るのですか?

混浴は別に考えてください。 湯浴み着(ゆあみぎ)やバスタオルの着用を認めている施設があります。 湯浴み着というのは、温泉に入るときに着られる専用の衣類のこと。 貸し出しや販売をしている宿もあります。

ただし、ここも施設ごとに決まりが違います。 専用の湯浴み着だけ認めているところ、バスタオルでもよいところ、女性の時間帯を分けているところ。 案内の出し方もさまざまです。

混浴のお風呂に入ってみたいけれど抵抗がある、という方は、 予約や受付のときに「湯浴み着は使えますか」と一言たずねてみてください。 聞きにくいことのようでいて、宿の方はいつも聞かれていることなので、あっさり答えてもらえます。


めまいやのぼせを感じたらすぐに浴槽から出て、涼しい場所で休んでください。無理は禁物です。持病や体調のことは、かかりつけの先生の指示が優先です。

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とも 温泉好き

ぬる湯と源泉かけ流しが好きで、全国を旅しています。体のことも含めて書けるのが、このブログの取り柄です。

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